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借地借家法更新時の注意

借地借家法は、借地人及び借家人が土地建物の新所有者に対して比較的容易に自己の権利を対抗できるという、弱い立場にいる借主の保護を目的としています。借地借家契約において、その契約期間をできるだけ長く設定し、貸主側の契約更新を行いやすくすることで、貸主側が契約を容易に終了できないようになっています。このことは、賃借人が突然家や土地を追い出されて失うことで、生活の拠点を失うことを防ぐ意味があり、借地借家法では賃貸契約の更新を容易にし、解約を制限する制度が整備されています。

また、借地借家法では借地について、借地権の譲渡や転貸をする際に裁判所の許可を得れば、地主の承諾の代わりとなるとされており、借主に不利な特約によって借主の権利侵害につながらないよう、片面的強行規定という方法が採用されています。

また、借地借家法32条1項では継続賃料の増減について定められており、多くの最高裁判例で強行規定である旨が判例によっても明示されています。そして、借主に有利な特約については許容されるといった借主保護の原則が見られています。そのため、貸主にとって借地人及び借家人に対する借地借家法の規定の目的とこれらの具体的な規定を把握しておくということは重要と考えられています。

アパートと借地借家法

借地借家法1条では、建物の所有を目的とする場合には地上権や土地の賃借権の存続期間・効力、建物の賃貸借の契約の更新・効力などは裁判手続に関する必要な手続き事項を定めると規定しています。そのため、一時的な使用ではない建物の賃貸借契約は借地借家法の適用があるとされています。

具体的に建物とは、住居や営業用に利用でき土地の上に立つ建造物で、壁や屋根があって独立不動産として登記でき、構造上、経済上独立していることが要件とされています。そのため、賃借部分が構造上、経済上独立している限りはれば、一棟の建物の一部であるアパートやビルの1室も立派に借地借家法の適用がある建物とみなされ、借地借家法が適用されることになります。

賃貸マンションに居住している人が、賃貸契約を結んでしばらくたってからマンションのオーナーが替わったケースで、リフォーム後に分譲マンションとして販売するために立ち退き要求を受けた場合ですが、分譲マンションとしての販売を目的とする立ち退き要求であって、妥当とされる財産上の給付額はなく、正当な事由にはならないと考えられています。入居時の貸室賃貸借契約書に立退料や移転費用等の請求禁止と記載がある場合でも立ち退きに関しては、借地借家法に違反すると考えられその事項が無効となるといえます。

駐車場と借地借家法

借地借家法の適用がある土地賃貸借のことを借地とよびます。借地借家法2条1号では、賃借人保護の視点が明確にされており、土地賃貸借のうちで建物所有を目的とするものは借地借家法の対象となると規定しています。しかし、建物所有目的ではない場合は借地借家法の適用はありません。

例えば、駐車場として事務所といった建物を建築する場合など、判例では、土地賃貸借契約の主たる目的が建物の所有ではなく、自動車駐車場の経営などである場合には、例え土地の上に建物があったとしても建物の所有を目的とするという点には該当しないとみなされています。そのため、例え賃貸人が承諾していたとしても借地借家法は適用されないとされています。このようなケースでは、混乱につながらないよう、駐車場として土地を貸借する場合には、契約期間の満了とともに土地の賃貸借契約は終了するので、貸借人は土地を返還することになります。

借地借家法第3条には、契約時の借地権の存続期間は30年かそれ以上とすることが定められています。また、4条には借地契約の更新があった場合にはさらに10年以上借地権を存続させなければならないと定められています。そして、借地借家法第9条にはこれよりも短い期間を定めたり、期間の定めなしとしても無効となると定められています。